東野圭吾さんの作品で、長年愛されている2大看板シリーズといえば『ガリレオ』シリーズと『加賀恭一郎』シリーズです。
中でも『加賀恭一郎』シリーズは、俳優の阿部寛さんが主人公・加賀恭一郎を演じ、ドラマや映画が大ヒットしたため「映像で見たことがある!」という方も多いのではないでしょうか。
加賀恭一郎シリーズは基本的に1話完結の独立したストーリーになっているため、どの作品から読んでも十分楽しめます!
ただし、作品を通じて加賀恭一郎という人物の過去や人間ドラマが紐解かれていくため、基本的には「刊行順」で読むのが一番おすすめです。 (※忙しくて全作読むのが難しい方向けのおすすめルートも後ほど紹介します!)
【結論】加賀恭一郎シリーズの読む順番一覧(全13作)
まずは、刊行された順番(出版順)で一覧にまとめました。加賀の成長や変化を追いたい方はこの順番で読むのがベストです!
- 『卒業』(1986年)
- 『眠りの森』(1989年)
- 『どちらかが彼女を殺した』(1996年)
- 『悪意』(1996年)
- 『私が彼を殺した』(1999年)
- 『嘘をもうひとつだけ』(2000年)
- 『赤い指』(2006年)
- 『新参者』(2009年)
- 『麒麟の翼』(2011年)
- 『祈りの幕が下りる時』(2013年)
- 『希望の糸』(2019年)
- 『あなたが誰かを殺した』(2023年)
- 『誰かが私を殺した』(2024年・Audible限定)
忙しい人やドラマファンはどこから読む?おすすめの2ルート
「13作品も読む時間がない…」「ドラマの雰囲気が好きだった!」という方は、目的に合わせて以下のルートで読むのがおすすめです。
- 王道ルート(全作品の魅力を味わう): 第1作『卒業』からの刊行順
- ドラマ・映画ファンルート(サクッと名作を楽しみたい): 第8作『新参者』から読む
特にドラマや映画でおなじみの阿部寛さん演じる加賀恭一郎の魅力が凝縮されているのは『新参者』以降の作品です。『新参者』から読み始めてもまったく問題なく物語に没頭できますよ!
東野圭吾・加賀恭一郎シリーズ全作品のあらすじ&見どころ
各作品のあらすじと見どころをご紹介します。気になる作品があれば、ぜひ手に取ってみてくださいね。
『卒業』(1986年)
7人の大学4年生が秋を迎え、就職、恋愛に忙しい季節。ある日、祥子が自室で死んだ。部屋は密室、自殺か、他殺か?
心やさしき大学生名探偵・加賀恭一郎は、祥子が残した日記を手掛りに死の謎を追求する。しかし、第2の事件はさらに異常なものだった。茶道の作法の中に秘められた殺人ゲームの真相は!?
★見どころ:記念すべきシリーズ第1作!まだ大学生である加賀恭一郎の爽やかな姿と、青春のほろ苦さが詰まった本格ミステリーです。
『眠りの森』(1989年)
傷ついたバレリーナが男を殺したのは、ほんとうに正当防衛だったのか?
完璧な踊りを求めて一途にけいこに励む高柳バレエ団のプリマたち。美女たちの世界に迷い込んだ男は死体になっていた。
若き敏腕刑事・加賀恭一郎は浅間未緒に魅かれ、事件の真相に肉迫する。華やかな舞台の裏の哀しいダンサーの悲恋物語。
★見どころ:警視庁捜査一課の刑事となった加賀が登場。バレエ界の美しくも切ない人間模様と、加賀のほのかな恋心が見どころです。
『どちらかが彼女を殺した』(1996年)
「お兄ちゃん以外、信じられなくなっちゃった」電話は切れ、妹は殺された。愛知県警交通課の兄・和泉は、犯人への復讐を決意し、現場の証拠を隠蔽する。
容疑者は元恋人の男と親友の女。決め手が見つからないなか、練馬署の加賀刑事だけは兄の工作を嗅ぎ取る。あなたに真相が見抜けるか。究極の”犯人当て”小説。
★見どころ:なんと作中で「犯人が直接明かされない」仕掛けになっています!読者自身が推理して犯人を突き止める体験型ミステリー。
『悪意』(1996年)
人気作家・日高邦彦が仕事場で殺害された。第一発見者は、妻の理恵と被害者の幼なじみである野々口修。犯行現場に急行した刑事・加賀恭一郎の推理、逮捕された犯人が決して語らない動機とは。
人はなぜ、人を殺すのか。超一流のフー&ホワイダニットによってミステリの本質を深く掘り下げた東野文学の最高峰。
★見どころ:早々に犯人が判明してから始まる「動機解明(ホワイダニット)」の心理戦!東野圭吾作品の中でも屈指の最高傑作との呼び声高い一冊です。
『私が彼を殺した』(1999年)
男の庭先で、裏切られた女性が自殺した。すでに別の女性と婚約していた男は死の事実を隠して結婚式へ向かう最中に殺害される。動機のある容疑者は三人――婚約相手の兄、恋人を奪われた男、元交際相手の女。推理の鍵は、死因の毒入りカプセルが何処から現れたか。あなたは加賀刑事が導く真実に迫れるか。
★見どころ:『どちらかが彼女を殺した』に続く本格犯人当てミステリー第2弾。巻末の手紙やヒントを元に、ぜひ真犯人を推理してみてください。
『嘘をもうひとつだけ』(2000年)
バレエ団の事務員が自宅マンションのバルコニーから転落、死亡した。事件は自殺で処理の方向に向かっている。
だが、同じマンションに住む元プリマ・バレリーナのもとに一人の刑事がやってきた。彼女には殺人動機はなく、疑わしい点はなにもないはずだ。ところが……。人間の悲哀を描く新しい形のミステリー。
★見どころ:加賀恭一郎シリーズ唯一の「短編集」。人間が思わずついてしまった「嘘」の裏にあるドラマを、加賀が優しく鋭く解き明かします。
『赤い指』(2006年)
少女の遺体が住宅街で発見された。捜査上に浮かんだ平凡な家族。一体どんな悪夢が彼等を狂わせたのか。「この家には、隠されている真実がある。それはこの家の中で、彼等自身の手によって明かされなければならない」。刑事・加賀恭一郎の謎めいた言葉の意味は?家族のあり方を問う傑作。
★見どころ:家庭内の闇と「介護」「家族の絆」を描いた重厚なドラマ。加賀自身の父親との複雑な関係性も明かされる重要作です。
『新参者』(2009年)
日本橋の片隅で一人の女性が絞殺された。着任したばかりの刑事・加賀恭一郎の前に立ちはだかるのは、人情という名の謎。手掛かりをくれるのは江戸情緒残る街に暮らす普通の人びと。「事件で傷ついた人がいるなら、救い出すのも私の仕事です」。大切な人を守るために生まれた謎が、犯人へと繋がっていく。
★見どころ:日本橋・人形町を舞台にした連作ミステリー。事件の謎だけでなく、人々の心まで救っていく加賀の温かい人情味が光る大ヒット作です!
『麒麟の翼』(2011年)
「私たち、お父さんのこと何も知らない」。胸を刺された男性が日本橋の上で息絶えた。瀕死の状態でそこまで移動した理由を探る加賀恭一郎は、被害者が「七福神巡り」をしていたことを突き止める。家族はその目的に心当たりがない。だが刑事の一言で、ある人物の心に変化が生まれる。父の命懸けの決意とは。
★見どころ:日本橋の「麒麟像」を巡る涙なしには読めない感動のミステリー。家族のすれ違いと父の愛を描いた映画版も大好評でした。
『祈りの幕が下りる時』(2013年)
明治座に幼馴染みの演出家を訪ねた女性が遺体で発見された。捜査を担当する松宮は近くで発見された焼死体との関連を疑い、その遺品に日本橋を囲む12の橋の名が書き込まれていることに加賀恭一郎は激しく動揺する。それは孤独死した彼の母に繋がっていた。シリーズ最大の謎が決着する。吉川英治文学賞受賞作。
★見どころ:加賀恭一郎シリーズの「完結編」とも言える最高峰の超大作。長年明かされなかった「加賀の母親の失踪の謎」がついに明かされます。
『希望の糸』(2019年)
小さな喫茶店を営む女性が殺された。加賀と松宮が捜査しても被害者に関する手がかりは善人というだけ。彼女の不可解な行動を調べると、ある少女の存在が浮き彫りになる。一方、金沢で一人の男性が息を引き取ろうとしていた。彼の遺言書には意外な人物の名前があった。彼女や彼が追い求めた希望とは何だったのか。
★見どころ:加賀の従弟である刑事・松宮脩平が主軸となって活躍する作品。加賀恭一郎も重要な助言者として登場し、家族の「糸」を繋ぎます。
『あなたが誰かを殺した』(2023年)
閑静な別荘地で起きた連続殺人事件。検証会に集められた遺族と関係者たちの前で、加賀恭一郎が事件の真相を解き明かしていく。
★見どころ:クラシカルな「館もの・クローズドサークル」の雰囲気を味わえる極上の本格ミステリー!加賀の鮮やかな推理が冴え渡ります。
『誰かが私を殺した』(2024年・Audible限定)
▶︎ 作品はこちらから
オーディオブック(Audible)限定で配信された書き下ろし作品。殺された被害者の「視点」から描かれる異色の加賀恭一郎シリーズ。
★見どころ:音声だからこそ楽しめる全く新しいミステリー体験!加賀恭一郎の聴き込みが被害者の記憶と交錯していきます。
映画化・ドラマ化された作品(年代順)
阿部寛さん主演で映像化された「新参者シリーズ」の放送・公開順をご紹介します。
- 連続ドラマ『新参者』(2010年) 舞台は日本橋・人形町。連続ドラマとして加賀恭一郎の魅力を一気に広めた記念碑的作品です。
- SPドラマ『赤い指~「新参者」加賀恭一郎再び!』(2011年) 加賀が人形町に赴任する前の事件を描いたスペシャルドラマ。
- 映画『麒麟の翼 ~劇場版・新参者~』(2012年) 日本橋の麒麟像を舞台にした劇場版第1弾。豪華キャストでも話題になりました。
- SPドラマ『眠りの森』(2014年) 加賀の若き日の事件を描いた作品。ヒロインのバレリーナ役に石原さとみさんが出演。
- 映画『祈りの幕が下りる時』(2018年) シリーズの集大成となる劇場版第2弾。加賀恭一郎のルーツが明かされる屈指の感動作です。
加賀恭一郎シリーズの「聖地巡礼」スポット
作品の雰囲気を実際に味わいたい方は、ぜひ以下のスポットへ足を運んでみてください!
1. 東京都中央区(人形町・水天宮周辺)
『新参者』の舞台となった人形町エリア。甘酒横丁や老舗の煎餅屋さん、人形焼のお店など、作中に登場する雰囲気をそのまま楽しむことができます。
聖地巡礼に興味のある方はぜひ以下の記事を参考にして下さい。

2.東京都中央区(日本橋・麒麟像)
『麒麟の翼』のシンボルである日本橋の「翼のある麒麟像」。翼には「ここから羽ばたく」という意味が込められています。近くの「七福神巡り」コースと合わせて巡るのがおすすめです!
※人形町と日本橋は徒歩圏内なので、半日で一気に両方の聖地巡礼を楽しむことができますよ!
まとめ:自分に合った順番で加賀恭一郎シリーズを楽しもう!
今回紹介した東野圭吾「加賀恭一郎シリーズ全作品はこちらです👇
東野圭吾さんの加賀恭一郎シリーズは、事件の謎解きだけでなく、登場人物たちの心に寄り添う温かい人間ドラマが最大の魅力です。
- 加賀恭一郎の成長をじっくり楽しみたい方 ➔ 第1作『卒業』からの「刊行順」
- ドラマの雰囲気から手軽に読み始めたい方 ➔ 第8作『新参者』からの「新参者ルート」
まずは気になる一冊を手に取って、加賀恭一郎の魅力的な推理の世界に飛び込んでみてくださいね!
作品・映像化・聖地まとめ表
| 作品名 | 発売年 | 映像化情報 | 主な聖地 | |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 『卒業』 | 1986年 | – | – |
| 2 | 『眠りの森』 | 1989年 | SPドラマ『眠りの森』 | – |
| 3 | 『どちらかが彼女を殺した』 | 1996年 | – | – |
| 4 | 『悪意』 | 1996年 | – | – |
| 5 | 『私が彼を殺した』 | 1999年 | – | – |
| 6 | 『嘘をもうひとつだけ』 | 2000年 | – | – |
| 7 | 『赤い指』 | 2006年 | SPドラマ『赤い指』 | – |
| 8 | 『新参者』 | 2009年 | 連続ドラマ『新参者』 | 東京都中央区(人形町・水天宮前) |
| 9 | 『麒麟の翼』 | 2011年 | 映画『麒麟の翼 〜劇場版・新参者〜』 | 東京都中央区(日本橋) |
| 10 | 『祈りの幕が下りる時』 | 2013年 | 映画『祈りの幕が下りる時』 | 東京都中央区(明治座ほか) |
| 11 | 『希望の糸』 | 2019年 | – | 石川県金沢市 |
| 12 | 『あなたが誰かを殺した』 | 2023年 | – | – |
| 13 | 『誰かが私を殺した』 | 2024年 | – | – |















