こんにちは、natsuです。
今回は、小川糸さんの名作小説『喋々喃々(ちょうちょうなんなん)』の舞台となった東京の下町、谷根千(谷中・根津・千駄木)・浅草・湯島エリアの聖地巡礼に行ってきました!
主人公・栞(しおり)と春一郎が歩いた情緒あふれる街並みを、実際に自分の足で2万歩歩いて確認したおすすめの散策モデルコースとして詳しくご紹介します。
💡【喋々喃々 谷根千・浅草聖地巡礼】現地で分かった要点
- 所要時間・歩数:約4〜5時間(約2万歩のゆったり下町散策ルート!)
- エリア:浅草・入谷 ➔ 湯島・上野 ➔ 谷根千(谷中・根津・千駄木)
- 見どころ全16スポット:言問橋 / レストラン香味屋 / 湯島天満宮 / みかどパンとヒマラヤ杉 / 谷中銀座 ほか
- おすすめ訪問曜日:「火〜土曜日」(※月曜日は作中の甘味処や専門店が定休日のため注意!)
- 最新の注意点:刊行から年数が経ち、閉店・移転したスポット(約8箇所)もあるため事前確認が必須です
📖 『喋々喃々(ちょうちょうなんなん)』とは?
「喋々喃々」とは、男女が仲むつまじく小声でささやき合う様子を意味する言葉。谷根千の和骨董店で働く主人公・栞と、常連客の春一郎との間で繰り広げられる、優しく切ない恋模様を描いた小川糸さんの代表作です。
刊行から15年が経過した今も、街には物語の静かな余韻がしっかり残っています。 この記事では、実際に自分の足で2万歩歩いて確かめた最新の街の様子や、巡る前に知っておきたい注意点、そして各エリアの魅力を余すことなくお伝えします!
【事前チェック】巡る前に知っておきたい!2つの注意点
① 月曜日は定休日に注意!
実際に巡ってみて痛感したのが「定休日の罠」です。特に月曜日は、作中に登場する甘味処や飲食店、専門店が定休日になっているケースが多いため注意が必要です。カフェや食べ歩きも存分に楽しみたい方は、火曜日〜土曜日の訪問をおすすめします。
②【2026最新】すでに閉店・移転してしまった聖地(8箇所)
15年という歳月のなかで、残念ながら閉店や移転となってしまったスポットも約8箇所あります。事前に確認しておくことで、「楽しみに行ったのに閉まっていた…」という悲しい思いを防ぐことができます。
- 谷中ボッサ(P16)
- ノマド(P17)
- 中川豆腐店(P43)
- 千駄木倶楽部 (センダギクラブ)(P53)
- オヨヨ書林(P56)👉金沢市のシンタテマチに移転(https://oyoyoshorin.net/about_oyoyoshorin_jpn/)
- アンヂェラス(P188)
- 須田の油揚げ(P262)
- 浅草観音温泉(P396)
※浅草奥山風景は限定イベントだったので現在は開催していない
【Googleマップ付】『喋々喃々』の舞台・モデル店舗16選
ではここから、実際に訪れた場所をご紹介していきます。巡礼順に紹介していきます!
【エリア1:浅草・入谷エリア】物語のドラマと歴史が交差する街
まずは、浅草駅からスタートする浅草・入谷エリアです。物語の重要なシーンに登場するスポットが集まっています。
言問橋(ことといばし / p186)
隅田川にかかる大きな橋。東京スカイツリーや川沿いの景色も楽しめます。


横断歩道を渡ると、目の前に大きな言問橋がかかっている。
喋々喃々 P186より引用
イッセイさんは、またゆっくりとステッキをつきながら歩き出した。そして言問橋の入り口で立ち止まる。「雨が降るだろ。そうすると脂分をはじくんだろうなぁ、人型がぼーっと浮かんでくるんだよ。それが怖くてさぁ。長いこと、雨が嫌で」
イッセイさんのつらい昔の話を聞くシーンです。

浅草鷲神社 (おおとりじんじゃ / p401)
| 住所 | 〒111-0031 東京都台東区千束3丁目18−7 |
|---|---|
| アクセス | 入谷駅北口3万出口より徒歩7分 浅草駅より徒歩8分 |
| URL | https://otorisama.or.jp/ |
酉の市で有名な鷲神社。物語の終盤で、栞とイッセイさんで酉の市が行われている鷲神社と長國寺を訪れます。
「迷子になるから、ここ、掴んどけ」
鷲神社の皇居の下で、イッセイさんが私に言う。
喋々喃々 P401より引用
令和8年の酉の市は2回で、11月7日(土)一の酉、11月19日(木)二の酉となっています。


入り口をまっすぐ進んだ様子

浅草鷲神社のなで亀

長國寺
| 住所 | 〒111-0031 東京都台東区千束3丁目19−6 |
|---|---|
| アクセス | 地下鉄日比谷線 入谷駅・三ノ輪駅より 徒歩約10分 |
| URL | https://otorisama.jp |
それから隣接する長國寺へ行き、香炉でたっぷりと煙を被ってから、今度は鈴を鳴らして静かに合掌する。浅草では、神社とお寺が隣り合って酉の市を開催しているので、神様と仏様、両方のご利益をいただくことができるのだ。
喋々喃々 P402より引用


長國寺のそばには、奥浅草ぶらり散策マップが。周辺にこんなにたくさん寺院があることにびっくりです。

レストラン香味屋(ランチ / p255)
| 住所 | 〒110-0003 東京都台東区根岸3-18-18 |
|---|---|
| アクセス | 比谷線入谷駅三ノ輪口4番出口から徒歩5分 |
| 定休日 | 火・水 |
| URL | https://www.kami-ya.co.jp/ |
大正14年創業の老舗洋食店。物語の中で栞と父の再婚相手である鈴乃さんが訪れる特別な場所です。伝統のデミグラスソースや心地よい接客は、まさに聖地巡礼の特別なランチにふさわしい贅沢な時間を味わえます。(ただしチャージ料が10%かかるので、要注意です)
「では、香味屋さんに行きましょう」 そこは、イッセイさんが教えてくれた鶯谷にある昔ながらの洋食店だ。値段はちょっと高めだけれど、下町の無民的な味を楽しむことができる。中でも、メンチカツは絶品だ。
喋々喃々 P255より引用


メンチカツを注文しました。フォークで割れ目を入れると、そこから大量の肉汁が出てきました。ハンバーグに近い食感で、とても柔らかくふわふわでした。キャベツは入っていないように思います。私が知っているメンチカツと全然違いました。またデミグラスソースも、ソースの味がキツすぎず、優しい味わいでした。備え付けのポテトサラダも、グラタンのような味わいで、大満足でした。



鍵屋
鶯谷に一軒、春一郎さんのお気に入りの居酒屋がある。その店は女性だけでは入れないので、春一郎さんと言問通りの横断歩道を渡ったところで待ち合わせた。
喋々喃々 P166より引用

春一郎さんが連れて行ってくれた店は、賑やかな大通りから一本奥まった道沿いにある古い日本家屋の一階だった。白い暖簾に「鍵屋」と書かれ、裸電球が木の看板をぼんやり照らしている。
喋々喃々 P166より引用

【エリア2:湯島・上野エリア】季節の自然と風情を感じるスポット
JR山手線に乗り、鶯谷駅から御徒町駅へ移動。歴史ある神社や豊かな自然に触れられる湯島・上野エリアへ。
湯島天満宮(p85)
学問の神様として有名な湯島天神。
木ノ下さんが女坂を上がっていく。湯島天神に行くには、男坂と女坂があり、男坂は急な石段で、それに比べると、女坂は緩やかな上り坂だ。
急な石段の男坂

緩やかな女坂


湯島天満宮でお参り

春一郎さんは知らないのかもしれないけど、私たちが今降りようとしているのは、夫婦坂だ。湯島天神には、男坂、女坂、そして夫婦坂という三つの坂がある。男と女はひっそりとした路地裏から繋がっているのに対し、夫婦坂だけは表通りへと繋がる。
喋々喃々 P91より引用
表通りにつながる夫婦坂から降りました。

俯瞰的にみた湯島天満宮。正面に見えるのが夫婦坂。

不忍池(しのばずのいけ / p221)
湯島天満宮を出て10分ほど歩き、上野公園内に広がる不忍池へ。8月上旬だったので、蓮の葉でいっぱいでした。

【エリア3:谷中・根津・千駄木(谷根千)エリア】下町情緒と緑に癒やされるメイン舞台
物語のメイン舞台である谷中・根津・千駄木(谷根千)エリア。昔ながらの景色と静けさが残る場所です。
赤札堂 根津店(p369)
地域の人々の生活に寄り添うスーパー。栞たちがこの街で「日常」を重ねていた息遣いをリアルに感じられる場所です。
物語後半で、栞が熱を出してしまったときに、春一郎さんが買い物をしたのが赤札堂。
春一郎さんは、ワイシャツの上から花柄の割烹着を身につけている。
喋々喃々 P369より引用
「それどうしたの?」
思わず訊ねた。
「さっき、赤札堂に材料を買い出しに行った時、見つけた」
「かわいい」

お店の前は「不忍通り」。不忍池から不忍通り沿いにまっすぐ進むと赤札堂があるので、わかりやすいです。

玉林寺・樹齢500年越えのスダジイの木(p74)
境内へ足を踏み入れると、圧倒的な存在感を放つ大木「スダジイ」が迎えてくれます。木漏れ日のもとで静かに佇んでいると、日々の忙しさを忘れて心がふっと整っていくのを感じられます。

境内の様子。人は誰もいませんでした。

スダジイの木へ繋がる扉。

圧倒的な存在感のスダジイの木。

かなり太い頑丈なワイヤーで何箇所も支えられているのがわかります

スダジイの木にたどり着くまでは境内から割と奥まで進む必要があります。8月上旬ということもあり、蚊がたくさんいました。この時期に訪れる際は虫除け必須です。
みかどパン店とヒマラヤ杉(p26)
今回の巡礼で最も感動したランドマーク!大きく枝を広げる圧巻のヒマラヤ杉と、その足元に佇む昭和レトロな「みかどパン店」の風景は、まさに小説の世界そのものです。
「あの、でっかいヒマラヤ杉も、迫力ありますよね」
喋々喃々 P26より引用
「あれは三十年前、みかどパンの前に置いてあった鉢植えなんですって」
「みかどパンって、あの懐かしい店構えの?」
「郷愁にかられる人がたくさんいるみたいですね」
「僕もそのひとりですよ。さっき、入っちゃいそうになりました」

大丈夫なのだろうか、、と心配になってしまうほど大きく育ったヒマラヤスギの木。
お店の前には張り紙が3つありました。



大名時計博物館(P64)
みかどパンから徒歩数分のところにある。この日は休館でした。
「これから、ちょっとだけ伺ってもよろしいですか?」
「今どちらですか?」
「えーっと、大名時計博物館っていう古い建物の横かな」
喋々喃々 P64より引用

全生庵(p245)& 谷中霊園(p31)
山岡鉄舟ゆかりの寺である全生庵や、緑豊かな谷中霊園。静寂に包まれた広大な敷地を歩いていると、時間の流れが少しゆっくりになるような安心感に包まれます。


跨線橋(p34)
線路を見下ろす跨線橋を渡り、谷中銀座の入口である「夕焼けだんだん」へ。夕暮れ時にはどこか懐かしい下町の風景が広がり、お散歩の締めくくりにぴったりのスポットです。
物語で描かれたロマンチックな雰囲気とは異なり、現在は安全のために頑丈な柵で覆われていました。15年という時代の変化を感じつつも、眼下を走る電車を眺める時間は特別なものでした。
私は跨線橋の中ほどで立ち止まり、いつものように過ぎ行く電車を見下ろしていた。
いくら見ていても、飽きることがない。するととつぜん、
「待ってください!」
背後から声がして、木ノ下さんがすごい勢いで駆け寄って来た。そしてそのまま、後ろから左腕を掴まれた。驚いて振り向くと、「僕、高い所が駄目で」
苦しそうにハアハアと息を吐きながら、それでも何かを伝えようとする。私は木ノ下さんとまっすぐに向かい合い、力強く掴まれている手の上にそっと自分の右手を重ね合わせた。それからゆっくり腕を滑らせるように木ノ下さんの手のひらを移動させ、手と手を繋ぐ。
喋々喃々 P34より引用

朝倉彫塑館(あさくらちょうそかん)
雪道くんとの思い出の場所。この日は定休日でした。
JR日暮里駅を出ると、真っ直ぐに朝倉彫塑館の建物を目指した。そして、満足そうに入り口から黒い建物を見上げ、スーッと中に入り込んでいった。
・・・
耐震性に問題があるとのことで、今は、木造部分が立ち入り禁止になっている。
喋々喃々 P278より引用
改装中のようで、建物はシートに覆われていました。

入り口の看板

フォントが可愛い!

谷中商店街・夕焼けだんだん(p17:30頃)


まとめ:本を片手に『喋々喃々』の舞台へ出かけよう
(※次回のお盆明け取材後に「イナムラショウゾウ」や「土手の伊勢屋」などの最新グルメ情報を追記・完成させます!)


